サンシャイン水族館では、9月7日から営業時間が18時までになり、18時以降の夜の水族館で様々な期間限定のイベントを開催しています。

そんなサンシャイン水族館では、9月30日から夜間特別営業「終わりは始まり展~生き物たちの終焉~」が始まりました!

テーマは「生き物の死とその先について」

人間も含めて全ての生き物がいつかは迎える「死」。

「死」と聞くと重く感じてしまい、話題にするには触れにくいと思う方もいるかと思いますが、様々な形で次の命に繋いでいく生き物がいます。
触れにくい話題ですが、今まで知らなかった生き物の生き様や生態について自分の目で見て知ることが出来るイベントでもあります。

チケット情報

大人(高校生以上): 2,600円
こども(小・中学生): 1,200円
幼児(4才以上): 700円
★月~木曜日(祝日、祝前日を除く)の大人料金はお得な2,400円
★年間パスポートをお持ちの方も、入場には上記入場料が必要となります。
※通常の水族館入場券、招待券、特別入場券では入場できません。

開催期間

2022年9月30日(金)〜12月18日(日)18:15〜21:00
※最終入場は終了1時間前です

休業日や入手方法はウェブサイト(https://sunshinecity.jp/file/aquarium/owari_hajimari/)をご確認ください。

館内1階のテーマは「個別の死について」

今回の展示では館内1階、館内2階、屋外エリア マリンガーデンの3つのエリアでそれぞれ異なるテーマでの展示を行っています。

館内1階のテーマは「個別の死について」です。

あなたはどうする?生き残るための選択をクイズ形式で出題


全6問のクイズ形式で、生き物の生き残りをかけた難題に挑戦します。

ちなみに第1問はこちら。

皆さんならどれを選びますか?

正解は!……サンシャイン水族館に行ってからのお楽しみ。

自分の命を懸けて子孫を残す、命がけのミズダコの母の愛


1階の展示で筆者が特に印象に残ったのが「ミズダコ」です。サンシャイン水族館のミズダコはじーっとして動かないことも多いですが、この日は積極的に動いている姿が見れました。

ミズダコのメスは産卵をすると孵化するまで付きっきりでお世話をします。その期間、母ダコは食べ物を摂ることはしません。
そして命がけで守った卵から仔ダコが生まれたのを見届けると、母ダコは亡くなってしまいます。自分の命を懸けて次の命に繋げていく生き物なのです。

子孫を残すのに命懸けなタコに対して、短い一生を駆け抜けていくアオリイカ


「海のハンター」と呼ばれるくらい賢いアオリイカですが、そんなアオリイカの寿命は1年程度と非常に短くなっております。

またタコとよく似た生き物と思われているイカですが、先ほど紹介したミズダコは卵から仔ダコが孵化するのを見届けてから亡くなるのに対し、アオリイカは産卵を終えると亡くなってしまいます。

いつもと違った雰囲気の「サンシャインラグーン」水槽

サンシャイン水族館の館内にある1番大きな水槽「サンシャインラグーン」といえば、カラフルな魚が優雅に泳いでいるイメージがありますが、「終わりは始まり展~生き物たちの終焉~」のイベント開催中はいつもと雰囲気の違う暗めの水槽になっています。

水槽の中心に差し込む光は、キービジュアルにもあるように生き物達が天に昇っていくようなイメージに合わせられています。
何度か光のところに魚が上手くいる写真を撮ろうとしましたが、なかなか上手くいかず。ぜひ皆さんも実際にイベントに行った際にはチャレンジしてみて下さい!

また普段はカーテンで仕切られている「海月空感(くらげくうかん)」との仕切りも取られているので、いつもと違った景色に少し驚きました。

館内2階のテーマは「絶滅など種としての死について」

2階のテーマは「絶滅など種としての死について」です。
世界では絶滅してしまった生き物や、このままでは絶滅してしまう可能性がある「絶滅危惧種」など、数を減らしている生き物について問題視されています。

スタッフの手作り!人間の捨てたものが生き物を死なせてしまう「ゴーストフィッシング」とは…


館内2階の展示で目を惹くのがこちらのタイヤです。
こちらのタイヤは「ゴーストフィッシング」と呼ばれるものを、飼育スタッフさんが再現して作った展示物になります。

ゴーストフィッシングとは…
魚を取る際に使う漁具が外れて、それが海を漂い中に入った魚が意図せず捕獲されてしまうこと。幽霊漁業と呼ばれることも

このタイヤでどのようにゴーストフィッシングが行われるかというのも、展示の中に答えがありました。

タイヤの中にたくさんあるのはヤドカリの殻に見立てた貝です。タイヤの内側は「ネズミ返し」のような構造のため、ヤドカリは1度タイヤの内側に入ってしまうと外に出る事が出来ません。
ヤドカリは「分解者」と呼ばれ、亡くなった生き物を食べることで水や砂を浄化するなど生態系を維持する上では非常に重要な役割を担っています。そのヤドカリがゴーストフィッシングによって数が減ってしまうと、将来的には生態系そのものへの影響も考えられてしまいます。

ゴーストフィッシングにはタイヤや釣り具以外にも、人間が捨てた思わぬものが魚を捕まえてしまうこともあります。
もし川や海に行った際には、ゴミは持ち帰るかきちんと決められた場所に捨てるようにしましょう。

アザラシは見られないけれど、それでも展示で知って欲しい「自然界でのバイカルアザラシ達の状況」について


館内2階の奥にある「湖にすむアザラシ」水槽には、3頭のバイカルアザラシが暮らしていますが…その水槽にはカーテンがかかっていて、姿を見る事は出来ません。
これにはきちんと理由があり、バイカルアザラシ達が住んでいるバイカル湖ではこの時期の夜は湖には光が入らず、真っ暗になっています。
サンシャイン水族館では、水槽の明るさがバイカル湖と同じ日照時間になるようにしているので、この時間には展示スペースからの光が入らないようにカーテンで仕切っています。

残念ながら実際に姿を見れないバイカルアザラシですが、世界で唯一ロシアのバイカル湖にのみ生息しています。そのバイカル湖が近年地球温暖化の影響や、水質汚染という問題を抱えています。
もしこのままバイカル湖の環境が悪くなったら…内陸にある湖から移動出来ない野生のバイカルアザラシ達は絶滅してしまうかもしれません。

この期間だけの展示!「ロシアラッコのはく製」


かつてはサンシャイン水族館でも飼育されていたラッコですが、現在日本国内の動物園・水族館では3頭しか飼育されていないのはご存じでしょうか?(※三重県にある「鳥羽水族館」で2頭、福岡県にある「マリンワールド海の中道」で1頭)
1990年代の「ラッコブーム」の際には、日本国内で100頭以上が飼育されていましたが、毛皮目的の密漁や地球温暖化の影響などで野生のラッコの数が減ったことを受けて、ラッコを守る為にワシントン条約で国際取引に規制がされています。

更にラッコはもともと繁殖が難しく、また国内にいる3頭も高齢などの理由もあり繁殖が出来ないので、もし海外からラッコを迎える事が出来なければ、日本の水族館ではラッコが見られなくなってしまうかもしれません。
しかし世界的にラッコを保護しようとする動きもあり、自然界でのラッコの数は徐々に増えてきています。日本では北海道で野生のラッコを見る事が出来ます。

特設水槽には「チュウゴクオオサンショウウオ」が展示!


館内2階にある特設水槽には、大きなチュウゴクオオサンショウウオが展示されています。

チュウゴクオオサンショウウオは元々は外来種で、日本の在来種のオオサンショウウオの生態系に影響を及ぼしていますが、チュウゴクオオサンショウウオはIUCNのレッドリストで「絶滅寸前(CR)」に指定されるくらい、数が減ってきているので駆除することは出来ません。

日本では西日本に生息していて、中には日本の在来種のオオサンショウウオとチュウゴクオオサンショウウオの交雑種も増えてきていますが、こちらの展示にいるチュウゴクオオサンショウウオは交雑種ではない生粋のチュウゴクオオサンショウウオです。
普段はバックヤードで暮らしていて見る事は出来ないので、ぜひこの機会にご覧ください!

屋外エリア マリンガーデンのテーマは「望まれない死、人間が関わることで途切れる命」

屋外エリア マリンガーデンのテーマは「望まれない死、人間が関わることで途切れる命」です。

サンシャイン水族館の人気者「ケープペンギン」!そんな人気者に近づく「絶滅」という未来

サンシャイン水族館といえば、マリンガーデンにある「空飛ぶペンギン」を思い浮かべる方も多いかと思います。サンシャイン水族館で人気のお土産にはケープペンギンのぬいぐるみや、ケープペンギンが描かれたオリジナルグッズも多数あり、正しく「サンシャイン水族館の顔」とも呼べる生き物です。

しかしそんなケープペンギンが自然界では1番絶滅に近いペンギンと言われています。
気候変動の影響でエサの魚が移動してしまったり、過去に発生したタンカー事故による海の汚染など、野生のケープペンギン達には過酷な出来事が起こっています。

そんなケープペンギンですが、日本の水族館・動物園など飼育下では個体数が増え続けています。飼育下では血統書のようなものを元に遺伝子の多様性を維持しながら繁殖を行っていて、中には他の水族館のペンギンとサンシャイン水族館のペンギンをまるで交換留学のようにしている事も。

サンシャイン水族館では、2019年に生まれた「青銀」が八景島シーパラダイスに行き、八景島シーパラダイスから新たなペンギンがサンシャイン水族館にやってきています。
こうした水族館同士の協力も、ケープペンギン達の命を繋ぐには非常に大事なことです。

この展示のためだけに作られたオリジナルストーリーのサンドアート


天空のペンギン水槽では、スクリーンにサンドアートが映し出されています。
こちらのサンドアートはサンドアート集団「SILT」とサンシャイン水族館がタッグを組んで制作したものです。

サンシャイン水族館の飼育スタッフさんが考えたオリジナルストーリーを「SILT」のリーダー船本恵太さんが監督を務め、メンバーの竹谷和真さんがサンドアートで描き、映像に合わせてチェロ奏者の青月泰山さんが奏でるチェロのメロディーもあり、様々なプロが命を吹き込んだ感動作です。
5分程度のストーリーですので、ぜひ足を止めて最初から見ていただけたらと思います。

サンシャイン水族館(通常営業) 概要

所在地:東京都豊島区東池袋3-1 サンシャインシティ ワールドインポートマートビル・屋上
営業時間:10:00~18:00 ※最終入場は終了1時間前 ※変更の場合あり
入場料:大人(高校生以上)2,400円、こども(小・中学生)1,200円、幼児(4才以上)700円  ※変更の場合あり
問合せ先:サンシャイン水族館 03-3989-3466 https://sunshinecity.jp
※日時指定チケットの購入、または日時指定WEB整理券の取得が必要な場合がございます。詳しくは、水族館 ウェブサイトをご確認ください。
※状況により、内容・スケジュールが変更になる場合がございます。
※画像はイメージです。※金額はすべて税込です。
※サンシャイン水族館ではお客様に安心してご来館いただくため、新型コロナウイルス感染症拡大防止に努めております。ご来館の際には、ご理解とご協力をお願いいたします。詳しくはサンシャイン水族館 ウェブサイトをご確認ください。https://sunshinecity.jp/aquarium/news/entry-14803.html